難民受け入れの現状報告①(6月)

皆様の心温かいご支援により、プロジェクト達成してから約1ケ月が過ぎ、ハンガリーでのウクライナ難民支援活動をさせていただいていることに、心から感謝申し上げます。ご支援者の皆様、本当にありがとうございます。ご支援者様へ、プロジェクト達成翌日から現在までの、ウクライナ難民への住宅提供の入居までの活動報告をさせていただきます。  

プロジェクト達成翌日(6月10日)に、カリタス支援団体へ正式に住宅受け入れ要請書を送り、受け入れの難民の方が決まるまで、住宅提供の家の家電製品、寝具等々を揃え、設備等々を整えてまいりました。  


●家電製品を用意したり、電気、水道、配管の設備工事を業者さんにお願いしました 

住宅提供の別棟は、毎年夏場のみ使用しており、冬の季節は配管破裂防止として水道を止めていました。入居前に業者に点検してもらったところ「このまま冬場-20度で水を使用すると破裂する」とのことで、急いで水まわりすべて配管交換もしくは配管カバーの工事をしました。 

 

浴室の窓も、大きくして換気しないと冬場の外気と内気の温度差が激しい為、浴室のカビがすごく出てしまうということで、窓も大きくする工事をしました。 

 

その他、電気料金を別々にするため、メーターを別棟に取り付けました。浴室にコンセントがなかった為、洗濯機使用のコンセントの取り付け工事と洗濯機の排水口の工事もしました。


●カリタス支援団体が家具(ベッド、椅子など)提供・搬入してくださいました 

(左)カリスタ支援団体より      その他、生活に必要な日用品は買いそろえました


業者にお願いし、早急に設備を整えていただき、7月1日受け入れに向けて部屋を 準備し、住宅提供者への生活用品などを購入させていただきました。


●カリタス支援団体と難民者ご夫婦との面談(6月 22 日午前11時)の様子

6月末に、カリタス支援団体の小さな宿泊施設に、2組の難民家族が避難生活をしていまして、7月1日からこの宿泊施設で、子供たちのキャンプが始まる為、避難所を出なければいけないという連絡が支部長から来ました。うち1組の年金生活者のご夫婦を受け入れて欲しいと要請がありました。6月22日、上記写真のご夫婦と、カリタス支援団体のスタッフとで、約1時間 30 分宿泊施設にて面談いたしました。 

 

 

夏休みのキャンプが終わっても、遠方から通う高校生の寮として、9月から使用するとのこと。 

●もう1組の家族は、13歳と15歳のお子様を持つ4人家族

カリタス支援団体スタッフと面談の日に物資提供

 

いつも保存食ばかりと思い、面談へ行くついでに冷蔵物など届けたいと、チーズ、ハム、サラミ、くだものなどの提供させていただきました。 

大きい冷蔵庫2つ開けたら、中がカラっぽで心が痛みました。 

後日、ご夫婦に今までの避難生活の食べ物提供など伺ったら、数個のコップと皿、パン、米、保存食などで、肉類などは、イースター前に一度だけいただきましたとのことでした。 

小さな避難施設には、やはりなかなか行き渡らないのが現状です。 

 

2組のご家族とも、とても喜んでくださいました。ご支援者の皆様に、本当に心から感謝申し上げます。 


●提供する物資を調達している様子


●避難所では生活が困難な方の実情を痛感

受け入れご夫婦の奥様(ルバさん)は、持病を抱えているそうです。体温調整がうまくできず、40度の気温でも長袖と靴下でいました。その他、歩行障害、慢性逆流性食道炎10年、太陽アレルギー、蚊アレルギー。  集団での炊き出しの食事も食べられず、日中は太陽を避けていたそうです。  

 

健常者の難民ばかり考えておりましたが、こうして食事も生活も同じようにできず、共同生活ができない難民の人がいることを改めて痛感させられました。 ご主人のウラジミールさんが支えています。  

 

カリタス支援団体の支部長から、「あなたたちなら、震災での避難の経験もされていて、ご夫婦の生活などのサポートは、安心して任せられるので大丈夫。どうかお願いいたします。」と言われました。 

6月24日に提供住宅を下見してもらい(左2枚↑)、30日に入居していただきました(右)

(私と夫は、ウクライナ語が分からないため、主に Viber とグーグル翻訳で会話をしています。)   

 

 

事前に、食べ物の買い出しリストをメールでいただいておりましたので、受け入れ当日の早朝に、買い出しに行きました。 


 

私たちは、心のサポートとして、2人で部屋に閉じこもらないよう、一日に2回、ゆっくり時間をかけて庭で会話をしたり、お部屋でお茶を飲みながら、ウクライナのお住まいのドニプロの様子、家族、親戚との離れ離れの生活のお話、ウラジミールさんとルバさんの知人の話(爆弾が、頭上を通過して知人が精神的に参ってしまい、寝込んでしまったお話)など、いろいろな辛いお話など、私たにしてくれています。私たちは、聞いてあげることしかできませんが、ご夫婦の心に寄り添い、孤立しないように心掛けております 

 

週に一回一緒に買い物に行ったり、心のサポートとして、私たちのできる範囲でさせていただいております。  

ウラジミールさんとルバさんご夫婦のお住まいは、ウクライナのドニプロペトロウシク州にある都市。ドニプロ川の河岸に位置する約100万人都市。まさに、今、戦争しているど真ん中に位置する場所。戦争勃発したとき、息子さんご夫婦が、イスタンブールまで二人旅行に行っていて、お孫さんを預かっていたそうです。  

戦争勃発直後、お孫さんと3人でハンガリーへ車で避難。  

息子さんご夫婦は、アルバニアに住んでおり、後日ハンガリーでお孫さんを引き渡したそうです。  

その後、ウクライナの国境も閉鎖。現在も戻れず、ハンガリーに避難生活が続いています。このまま戦争が続くなら、息子がいるアルバニアに行くことも考えているとおっしゃっていました。 

 

 

 先週は、処方されてる薬がもう少しで無くなるとのことで、近くの診療所へ同行いたしました。そのまま車で20分の場所に薬局があり、薬を1ケ月分いただきました。 

 ハンガリー政府では、ウクライナ難民の薬代は有料。診察料は無料。  

薬代は、カリタス支援団体が出していたとのことでしたので、私たちが引き継いで、プロジェクトで出させていただきたいと思っております。 プロジェクト用途には掲げておりませんでしたが、ご夫婦の薬代は、予備費から出させていただきたいと思っております。  


来週は、ご夫婦の住所変更届に一緒に行く予定です。 

 

ハンガリー政府は、ウクライナ難民の中で、ウクライナの年金を受給している難民は、ハンガリーの難民支援金がもらえない、と言われたとウラジミールさんが言っていましたので、来週私たちは、役所に行き、難民支援金の問い合わせに行こうと思っております。 

 

今後の活動といたしまして、住宅提供者の受け入れが落ち着いてから、現在、市営住宅に居る難民に、冷蔵物などの食料物資支援と生活に必要な物資を届けていきたいと思っております。 

 

国境沿いの難民所への支援物資の調達も、カリタス支援団体に不足している物資を聞き、少しずつ調達していきたいと思っております。

以前、プロジェクトの内容に追加いたしました損害保険に関してですが、別棟に第3者が入居した場合、別棟だけに損害保険をかけることはでないと言われたので、難民受け入れ別棟の損害保険料は、敷地内全体の保険内になり、私たちが毎月負担いたします。 

Wi-Fi に関しましても、別棟で扉と窓を閉めると、途切れてしまい届きにくいので、別に Wi-Fiを設置致しました。 私たちが、難民受け入れ終わるまで毎月負担致します。 

 

皆様のご支援金、本当にありがとうございます。

これからも、一人でも多くの難民に行き渡るように支援活動して参りたいと思っております。 

 

※報告書内の難民の方の名前、写真、プライベートのお話の内容に関しては、ご本人の承諾を得て公表しております。